今日は工務店の代表として永遠の課題を書きます。
工務店をしていると、お客様からたくさんの質問をいただきます。
・この設備、使いやすいですか?
・高いグレードの方がいいですか?
・断熱って変わりますか?
正直、リフォームの世界には「断言できないこと」がたくさんあります。
例えば飲食店なら実際に食べれば分かります。
洋服なら試着できます。車なら試乗もできます。
でも、リフォームは違います。
キッチン・お風呂・断熱・遮音・動線など「実際に住んでみないと分からない」部分が非常に大きいんです。
■特に難しい"断熱"
最近は特に断熱リフォームのご相談も増えています。
国も補助金(みらいエコ住宅2026事業)を出していて、世の中的にも"断熱=良いもの"という流れがあります。
もちろん、断熱には意味があります。
・夏の暑さ軽減
・冬の寒さ軽減
・結露対策
・冷暖房効率改善
一方で、工務店として悩むのは、その家の立地環境や状態含めて、お客様が"体感できるか・満足できるか"は別問題という点です。
■ 数値は良くても"感じ方"は人それぞれ
断熱には、UA値・断熱等級・熱貫流率など客観的な指標があります。
でも実際には、
・元々寒さに強い人
・エアコンをあまり使わない人
・日中ほぼ家にいない人
・築年数や構造の条件
によって、満足度はかなり変わります。1階と2階でも変わりますし、部屋の方角(陽当たり)でも体感は異なります。
つまり、「誰にでも劇的効果があります!」と断言できないんです。
■ 当店としては"勧めた方が利益"
これは綺麗事なしに言います。"工事"をすれば、当然ながら工事金額は上がります。特にここで例に挙げている断熱工事なんかは施工規模も大きいため、当店としては大きな売り上げ・利益になります。
だからこそ、"本当にそのお客様に必要なのか・お客様の期待を達成できるのか"を悩みます。
■ 「おススメです!」と言い切ることは簡単
正直、営業だけを考えれば簡単です。
「絶対やった方がいいです!」
「みなさん満足されてます!」
「快適になりますよ!」
そう言い切った方が、話は進みやすい。でも、私自身はそこを軽く言うことができない性格です。
■ 怖いのは"期待値を上げすぎること"
私はリフォームで大切なのは、"工事をすること"ではなく、"工事後に満足してもらうこと"だと思っています。
「めちゃくちゃ変わりますよ!」と期待値を上げすぎると、お客様の感じ方によっては、「あれ?思ったほどじゃないな…」となることもあります。
・良い点
・悪い点
・向いている人
・向いていない可能性
も含めて説明したいと思っています。
「結局どっちなんですか?」
こう思われることもあるかと思います。もっと強く背中を押してほしいお客様もいるでしょう。
私としては "売るための回答"より、"お客様が後悔しないための回答"をモットーに、お客様と一緒に"答え"を導き出したいと思います。
断熱に限らず、リフォームに"絶対"は少ないです。
・設備の使いやすさ
・間取り
・収納量
・デザイン
・素材感
全部、人によって正解が違います。だからこそ難しいんですが逆に言えば、お客様から信頼される・選ばれる工務店になるための"永遠の課題"と捉えています。ここにやりがいを感じているのも事実です。
リフォームは金額も大きく、人生の中で何度も経験するものではありません。
「猪頭さんだからお願いした」・「アイデアさんに頼んでよかった」と、人間性も含め信頼を得られるよう、これからも正直に・誠実に…。
そんな気持ちで日々精進しつつ、お客様と向き合っていきたいと思います。