最近増えている「売物件求ム!」

2024年03月28日 10:42
カテゴリ: リフォーム生活

週に2,3枚のチラシ

皆さんのご自宅ポストにもこんなチラシが増えていませんか?

「売物件求む!」
「このエリアを希望しているお客様が〇組います」
「ご自宅の査定無料!」
「坪〇万円!」等々…

昨日はまさにリフォームを考えているご高齢の方のお宅で現地見積調査をしていたのですが、年齢も年齢だし、売却も検討しようかなとのことで「こういうチラシが入ってたけど本当かね~?」と広告チラシをお見せいただきました。

昨今、物価高に伴い不動産価格も値上がりしていることは事実ですが、不動産屋さんの広告内容は少々誇張されています。誇張とまでは言えずとも、地域最高値の実績や相場をもとに、エリア一帯に配布しているので、例えば当店のある「北桜塚」でもそれぞれの不動産の価値はピンキリです。
前道が狭く車が入らなかったり、土地が狭くて既存の法律だと建物の広さが十分に確保できない、再建築ができないなどの場合は、不動産価値は減少してしまいます。

チラシはあくまで目を引くための言葉や数値ですので、それを鵜呑みにしてしまってはダメですが、高く売れるのなら高く売りたいと思うのは当然のことかと思います。なので売り急いでいない・じっくり売却できればいいとお考えの方は、必ず複数社にご相談してみてください。

ご存知の通り、不動産屋さんの仕事は「仲介」です。
1億円の不動産であれ、1千万円の不動産であれ、売るための行動量や手続量、書類等はほとんど同じです。
一方でもらえる手数料は売主・買主双方から3%+6万円に消費税となるため、できるだけ高い物件を仲介したいというのが本音です。
※1億円の不動産を仲介できれば利益は約670万円、1千万の不動産であれば利益は67万円

一方で、1億円で売り出した物件が売れず、9千万円に下げて売れた場合、利益は約600万円になります。
1つの物件が売れるまで、現地案内や内覧対応など、どれくらいの時間と労力をかけるかにもよりますが、どんな商売でもそうですが、早期に利益化ができるに越したことはありません。そのため不動産屋さんは少々高めの査定価格を出して、仲介契約を締結し、反響や経過時間に応じて価格を少しずつ下げるという手法を採ることが一般的です。

この不動産業のビジネスモデル自体は全く悪いことではなく否定しているわけではありません。
ただ、少しでも売り物件を確保しておきたいという意図のもと、冒頭のチラシ配布で売り物件を求めているという背景があると理解しているのとしていないでは、ストレス的な面で大きく変わってきます。
「チラシで〇万円で売れるとあったからお願いして売りに出したのに!」となってしまっては、大切に住んだ家を手放す方も新しく購入される方もみなさん気持ち良くないので、売却をされる方は、査定価格で売れると過度な期待はせず、数社から査定を受け、「これくらいでは売れるんじゃないかな(これくらいで売れれば満足)」という自分なりの納得基準を持つことをお勧めします。

ちなみに冒頭のお宅は、現状再建築ができなかったため、チラシ記載の「坪〇万円」というのは難しいと思いますと正直にお伝えしたところ、「そりゃそうだわな。このチラシ通り売れたら買った時の5倍や!」と笑ってご納得され、リフォームして住み続けることを決められました。

当店は不動産屋さんではないため、仲介はできませんが、これまで多くの不動産を購入してきておりますので、相場や価値判断には自信を持っています。リフォームと売却で迷っている方や相場を知りたいという方には第三者的にアドバイスしておりますので、ご自宅のことで何かあれば何でもご相談くださいね。

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